寿命の長い北極クジラはなぜ200年生きたのか

親が子に乳を与えて育てる

習慣を持つ生物を一般的に「哺乳動物」と呼びます。

人類もまた哺乳動物の仲間です。

ある時期まで、哺乳動物の寿命は体重で決まる

考えられてきました。

ヒトの手のひらに収まってしまうほど

小さなネズミは2年ほどしか生きられません。

イヌやネコならば12年ほどで、

これに対してウマの寿命が約25年

巨躯を誇るゾウの寿命は約60年だからです。

しかし、ここにサルやヒト、クジラを加えると

体重と寿命の相関関係は崩れます。

サルの平均寿命もウマと同じ約25年です。

ヒトの平均寿命は、少なくとも日本では男女ともに

80年を越えました。

そしてクジラです。

クジラのなかでもとりわけ長生きで知られるのが

「ホッキョククジラ」で、彼らは厳しい自然界の中でも

平均150年は生きると言われています。

中には200年生きた個体の記録も

残っているのだとか!

海は野生の王国です。

自由に動き回れなければ生きていけない

世界ですから、150年から200年という年齢は、

そっくりそのまま健康寿命でもあります。

なぜホッキョククジラはこれほど長い間、

元気に生きていられるのでしょうか?

寿命に関わると推測される「長寿遺伝子」

ホッキョククジラの遺伝子の中にも、

ヒトと同じように「長寿遺伝子」が存在することが

分かっています。

特に注目されているのが「ERCC1」という遺伝子です。

ここに特徴的な変異があるために

損傷したDNAが随時補修され、

がんなどの病気を防いでいると考えられます。

ヒトやサルにもまたホッキョククジラと

同じように老化を抑制する因子が

組み込まれてはいますが、

残念ながら人生100年を越える方は多くないですよね。

老化研究の最先端を走る研究者はここに着目し、

遺伝子の側面からヒトの老化のメカニズムを解明しました。

「ヒト」の寿命は「長寿遺伝子」によって変化

ホッキョククジラもヒトも特定の遺伝子によって

他の哺乳動物よりも長生きしているわけです。

この「特定の遺伝子」を「長寿遺伝子」と言います。

ところが、ヒトの「長寿遺伝子」は70代、80代で

ほぼ機能しなくなり、糖尿病、高血圧症候群、

脳梗塞、心血管障害、がんなど、致命的な病気を

発症したり、あるいは臓器の機能不全で

老衰に至ったりして、寿命を迎えるのです。

ホッキョククジラは長寿遺伝子の機能を

維持できるから長生きできる、

ヒトは長寿遺伝子の機能を維持できないから

100年生きられないという対比が成立します。

長寿遺伝子が機能しなくなっても存在はなくなりません。

あくまでも「変化」です。

遺伝子には非常に頑丈な「ゲノム」と、

環境などの影響によって変化する「エピゲノム」があります。

長寿遺伝子はエピゲノムに分類できます。

そうであるならば、外部から働きかけて

長寿遺伝子が機能できるようにすれば

ヒトの健康寿命も伸ばせるのではないか、

「老化」は「病」であり、治療できるのではないか、

この見地から開発された「NMN製品」に、

現在、アンチエイジング業界は大きな期待を寄せているようです。