あなどれない花粉症

花粉症は多くの日本人に共通する悩みなのでは

ないでしょうか。

重症の場合は、日常生活に支障をきたすほど

影響力が大きいものです。

花粉症で苦しむ人が身近にいるだけに

その大変さは少し分かるようにも思います。

日本で暮らしているかぎり、

私たちは毎年かならず大量の花粉にさらされ

生活しているので、花粉症ではない方も

「まだ発症していないだけ」の予備軍

ということになります。

 

2022年は花粉症のピークが早いとも言われています。

『まだ1月なのに目がかゆい』

『なんだか調子が悪い』

『もしかしてもう花粉がきてる?』

『去年の春より調子が悪くなるタイミングが早い気がする』

『まだこんなに寒いのにもう花粉症!?』

 

そのような声がひそやかに増加し始めました。

過去のデータから、花粉の飛散量が年間で

どのように推移するものなのか確認しておきたいと思います。

 

花粉の種類と飛散量の月間推移

 

花粉症の原因になる花粉には

いくつもの種類があります。

ここでは日本人の花粉症を引き起こしている

主な花粉7種類をピックアップします。

花粉の飛散期間とピークは関東エリアのものです。

お住まいの地域によって花粉が増えるタイミングは

違いますのでご注意ください。

 

  • 春にピークがくる花粉

ハンノキ属カバノキ科:

花粉の飛散期間は1月から6月のおわりまでです。

1センチ角当たり花粉0.1から5個程度の量で続きます。

スギ:

花粉の飛散期間は7月前半と、

10月から冬を越えて5月のおわりまでです。

2月初めから4月中盤が増加の時期で、

2月のおわりから4月初旬にかけて特に多くなります。

飛散はじめの10月は1センチ角あたり

花粉0.1から5個程度の量ですが、

ピークの2月から4月は1センチ角あたり50.1個以上にのぼります。

ヒノキ:

花粉の飛散期間は2月から6月初旬のころです。

3月中旬から徐々に飛散量が増え、

3月下旬から4月中旬の後半にかけてがピークになります。

5月上旬にかけて緩やかに飛散量が減っていきます。

 

  • 春以降にピークがくる花粉

イネ科:

イネ科の花粉の飛散期間はスギ花粉に比肩するほど長く、

3月中旬から10月おわりにかけてのおよそ8か月間です。

飛散量は5月のはじめから6月上旬にかけて多少増えますが、

全体的な量はそれほどでもありません。

ブタクサ属キク科:

花粉の飛散期間は8月中旬から10月の終わりにかけてです。

増加の時期は8月下旬から9月のおわりにかけてで、

特に多いのが9月上旬から中旬となります。

ヨモギ属キク科:

花粉の飛散期間は8月中旬と、9月のはじめから10月中旬にかけてです。

全体的に飛散量は少なく、特にピークもないようです。

アサ科のカナムグラ:

8月中旬から11月初旬にかけて花粉を飛散させる

アサ科の植物です。9月中旬から10月初旬にかけて

飛散量が多めになりますが、全体的な量はそれほどでもありません。

 

  • 主要7種類以外の花粉について

ブタクサとカナムグラに関しては

気候の関係で北海道にはほぼ分布していないため、

この種類の花粉も見られません。

その代わりカバノキ科のシラカンバという樹木が北海道に多く、

東北地方にわずかに分布していて、

花粉症の原因になっています。

シラカンバの花粉の飛散時期は4月中旬から6月にかけです。

飛散量は北海道で比較的多く確認されています。

そのほか、わずかに花粉の飛散が確認されているのが

ヒノキ亜科の「ネズ」で3月はじめから6月中旬にかけて、

カバノキ科の「オオバヤシャブシ」が

1月はじめから6月中旬にかけて、

ブナ科の「コナラ」「クリ」が4月はじめから6月おわり、

イチョウ科「イチョウ」とニレ科「ケヤキ」が4月5月の2か月間、

マツ属が4月中旬から7月初旬にかけて、

モクセイ科「オリーブ」が5月中旬から6月おわりにかけてです。

 

花粉症が増える?どんな対策をすればいい?

日本人は花粉症の人が増えているとも言われています。

その答えは、花粉症を引き起こす原因の

ほとんどがスギ花粉で、

その「スギ」が日本特有の木だからです。

第二次世界大戦の終結後、焼け野原になった日本では

あちらこちらで住居の建設がはじまりました。

日本の家屋は基本的に木造です。

文字通り爆発的に増えた建材の

需要にこたえるために「スギ」が大量に植樹され、

今に至りました。

現代日本人は鼻の粘膜がうすく

弱くなってしまったのではないかと

指摘されています。

薄く弱くなった鼻の粘膜はスギ花粉の侵入を

たやすくしてしまい、花粉症を発症しやすくなった

のではないかと考えられます。

また、アレルギー体質は遺伝しますが、

ゼンソクやアトピーなどにかかりやすい器質は

花粉症を発症しやすい器質にも通じます。

花粉症人口は今後も増加の一途だろうというのが

大方の見解のようです。

今回の記事を書いているだけでも

何となく鼻がムズムズするような(^_^.)