良性ポリープ、悪性ポリープ

ポリープは日本では比較的よく

知られている名称ではないでしょうか。

病名のひとつとして認識していらっしゃる方が

多いかもしれません。

実はこのポリープ、

病名ではなく、形態的な名称です。

ポリープとは

粘膜を含む皮膚の面から突出した腫瘤

のことをポリープと言います。

茎をもつ長いものから、おできのように

ほんの少しだけ頭が飛び出したものまで、

大きさを問わずすべてがポリープです。

 

この腫瘤が見つかった場合、

悪性か、良性かを見分ける検査が必須となります。

 

良性腫瘍と悪性腫瘍

ポリープの内容が悪性腫瘍であった場合、

周辺の組織を巻き込んで増殖します。

いわゆる「がん」です。早急な治療が必要です。

では、良性腫瘍であれば

放置していいかと言ったら、そうとも限りません。

なぜなら、良性腫瘍の内容は、

休眠状態にある老化細胞だからです。

 

休眠状態にあるポリープって?

休眠状態にあるポリープは、

全体が均一の状態にある老化細胞で

構成されていて、まったく増殖しない

ところが特徴です。

何らかのきっかけで休眠状態が

解除されてしまうと、急速にガン化し、成長します。

ポリープから始まるがんは、

悪性度が高いケースが多いと言われています。

そのため、良性であったとしても、

ポリープはできる限り取り除いておくべき

なのではないかと思います。

 

考え方の角度を変えると、

老化細胞の興味深い一面が見えてきます。

老化の原因として敵視される老化細胞が、

がんという危険な病気から身を守る

防御機構として働いていますよね。

老化細胞がなぜ生まれるのか、

なぜ老化細胞にアポトーシスが機能しないのか、

その理由の一端が、ここにあるのではないでしょうか。

 

ポリープが発生しやすくなる年齢

発生頻度の高いポリープの中から、

大腸ポリープをサンプルとして

ピックアップしてみました。

大腸ポリープの場合、

40歳以上になると発生する確率が

高くなり始めます。

60歳以上では二人に一人が大腸ポリープ

抱えているとされており、

女性より男性にリスクが偏る傾向があるようです。

通常、ポリープにはとりたてて

自覚症状が出ないので、

早期発見を目指す方は

定期検査を受診なさることを

おすすめいたします。

20代、30代の方にポリープが見つかった場合

老化細胞そのものが40歳以降に増加が顕著になります。

とはいえ、20代、30代の症例も時々あるようです。

そして、若ければ若いほど

細胞がガン化した際には急速に増悪します。

ポリープのリスクは若いほど

大きいとも考えられます。

 

私自身も子宮のポリープを何度か

婦人科にて摘出してもらっています。

そのため、ポリープには馴染みのあるもので…

良性ポリープだから平気だろう

みたいな認識もどこかしらあると思います。

 

そのため、ポリープ自体に危機感が薄れがちです。

自分にはどんなポリープを抱えていて

定期的に確認してもらう必要があるのではないかと

考えています。