年齢とともに変化するターンオーバー
美しい素肌は清潔感があり、
見た目年齢を若々しく印象付けてくれます。
そのため、スキンケアは今や女性だけでなく、
男性にとっても身だしなみの一環として
広まりつつあるようです。
年齢肌を若返らせるお手入れ方法とは
どんな方法があるのでしょうか。
そもそも、お肌がおおむね何日かけて
生まれ変わっているのか、ご存じですか?
お肌のターンオーバーは約28日
と言われています。
これは幅広い年齢の女性をおおまかに
カバーした平均値です。
年齢を重ねるとお肌のターンオーバーに
必要な時間は長期化します。
そのため、20代と40代、60代、70代では、
必要なお手入れの内容が変わってくるのです。
さらに、個人差もあって、若い頃から
お肌のターンオーバーに40日から50日かかる
ケースもあるようです。
「約28日」という日数は、あくまで目安として
覚えておいていただきたいと思います。
ターンオーバーは生まれ変わり?
お肌のターンオーバーを「生まれ変わり」と
認識していらっしゃる方が多いかも
しれませんが、残念ながらこれは間違いです。
というのも、お肌の表面に張り巡らされている
組織が、そのまま生まれ変わるわけではないからです。
古くなった表皮細胞は、役目を終えた後、
角質として剥がれ落ちていきます。
皮膚細胞は基盤となる皮下組織、
その上に真皮組織、さらにその外側に
表皮組織が重なった構造をしており、
ターンオーバーはこのうち、
表皮組織の層でのみ起こります。
表皮組織をさらに分解すると、
真皮組織の表面を覆う、厚さ0.1マイクロメートルの
基底層、その上に有棘層、顆粒層、角質層と続きます。
表皮のもととなる細胞が基底層で作られ、
順々に押し上げられて、やがて角質層が
新しい細胞に入れ替わります。
基底層で生まれた新しい細胞が皮膚表面に
たどり着くまでの期間が、平均28日間というわけです。
年齢で変化するターンオーバーの期間
お肌は老化します。
若々しいお肌を保とう、シミやシワのない素肌を
守りたいのであれば、
年齢に応じたケアが欠かせません。
お肌はなぜ老化するのか
老化研究の権威である米ハーバード大学の
デビッド・A・シンクレア教授は、老化を
ひとつの病気と表現しました。
骨密度低下、認知症、筋力低下、糖尿病、高血圧など
多様な病態をさかのぼった大本に老化があり、
老化の原因にアプローチできれば
根本治療も可能であると断言したのです。
イギリス知識階級の権威ある王立協会でも、
2010年には同様の考え方が受け入れられています。
多くの研究者が様々な物質をターゲットとして
研究に邁進するなか、シンクレア教授が注目したのは、
長寿遺伝子、あるいは若返り遺伝子と
呼ばれることもある「サーチュイン遺伝子」でした。
サーチュイン遺伝子は細胞を若々しく保つ力を
持っています。
ところが、加齢とともにサーチュイン遺伝子の質と
活動は低下し、細胞老化がどんどん加速していきます。
肌細胞もまた活力不足に陥って、
ターンオーバーに費やす時間が長期化するとともに、
肌全体が劣化していくという仕組みです。
20代であるなら、ターンオーバーにかかる時間は
28日から56日の範囲内だと言われています。
30代ならば40日以上、40代では55日以上、
50代になると75日以上、そして、
60代以降は100日以上を費やすように
変化するのだそうです。
年齢と共に、ターンオーバーは、時間をかけて
変化するもの、そして年齢によって
ターンオーバーの期間も長くなることが
分かりました。
次回は、年齢を重ねたときの
ターンオーバーに対する変化、ケア方法などを
考えていきたいと思います。