旧正月とは?

旧正月は太陰暦の1月1日のことです。

現行の暦は太陽暦であり、

旧暦と新暦では元日が異なります。

新暦である西暦2023年の旧正月は1月22日です。

海外では西暦の1月1日よりも

旧正月を重んじる傾向が強く

特に中国では「春節」という

重要な祝祭日として、

前後の数日間をまるごと休日にするほど

盛大に祝われます。

『日本人はなぜ旧正月をお祝いしないの?』

中国では旧正月を盛大に祝うのが当然で、

上記のような報道が話題になるほどなのだとか。

日本人はなぜ旧正月をお祝いしなくなって

しまったのでしょうか。

日本で旧正月のお祝いが廃れた理由

「旧正月」という呼び方から分かるように、

日本でもかつてはこの日が元日でした。

明治維新の後、明治6年に太陰暦から太陽暦に

切り替えられたのです。

そこから、現行の西暦が一般的になりました。

西洋化の一環として推し進められた政策です。

とはいえ、現在の日本でも旧正月のお祝いを

欠かさない地域が残っています。

例えば沖縄県です。

沖縄では新正月と旧正月を

それぞれお祝いする家庭や、旧暦に沿って

年中行事をこなす家庭も少なくないようです。

沖縄県の旧正月

沖縄県の伝統的な旧正月には、

門やヒヌカン(火の神)に若松を飾り、

神仏にお供え物をして祈りを捧げます。

ヒヌカン、床の間、ご先祖様にそれぞれ

お祈りした後、「若水」を使った

ウビナディという儀式を行うのが

基本的な手順です。

「若水」は旧正月の朝に初めて

汲み上げた水のこと、そして、

ウビナディの内容は若水を中指で

額に付けることです。

生命を象徴する若水によって若返る、

健康になる、という意味があります。

お祈りの後はお正月のごちそうです。

豚肉をメインに、子孫繁栄を願う田芋(ターンム)や、

縁起のいい食材である昆布を使った

料理の数々が、旧正月の食卓を彩ります。

 

旧暦の祝祭日は、新暦ではほとんどが

平日になっています。

翌日も通常通りの生活が待っている中で、

旧来のようにお祝いを続けられるかといったら、

やはり難しいですよね。

自然と旧正月の年中行事は

忘れ去られていきました。

沖縄県や奄美地方は伝統的な旧正月の姿を

留める貴重な地域と言えるのではないでしょうか。