いざ低山登山!その裏で起こっている異変とは?

 

2021年度は登山ブーム再来の年になったと

言われています。

この傾向は2022年にも持続していて、

特に低山登山に挑む初心者、

思いきって富士登山に挑む初心者から中級者の増加で、

登山道が長蛇の列になる日も

少なくなかったようです。

令和という新しい時代はコロナ禍とともに

始まったといっても過言ではないでしょう。

衛生観念が革命的な進歩を遂げるとともに、

レジャーの在り方も変化せざるを得ませんでした。

そんななかで登山ブームの再来は

自然な流れであったと考えられます。

 

これから本格的なウィンターシーズンに向けて、

スノーシュートレッキングを組み込んだ

ツアーも再開するでしょうし、

そうなれば当然、雪山登山への参加者も

増えると思われます。

登山者に増えたトラブル

登山で最も恐ろしいトラブルは遭難です。

登山道を外れて現在位置を見失ったら、

自力での脱出は非常に難しくなります。

さらに、滑落などの事故が原因で遭難した場合には

怪我のダメージもあって、事態が深刻になりがちです。

登山者のレスキューに当たる山岳遭難救助隊は

2021年の遭難者の傾向から、

「特に低山登山に注意を」との警告を発信しています。

 

日本に最初の登山ブームが起きたのは1990年代で、

それから2010年、2021年と、

ブームは波のように繰り返してきました。

1990年代からずっと登山を続けてきた

登山ブーム中心世代では、年齢のために

ご自身で思うよりも体力と筋力が低下していて、

思わぬところで転んだり、滑落したりして

身動きが取れなくなるケースが増えているのだとか。

「コロナに負けず、何か新たな趣味を見つけよう!」

そんな気持ちで低山登山に向かった初心者では、

準備不足による遭難が目立つとのことです。

2021年、静岡県の調べでは、県内の山岳遭難のうち

7割が低山で発生しています。

低い山でも山は山、大いなる大自然を敬う

心を忘れず、怠りなく準備を整え、

万全の体調で挑むようにしましょう。

山を安全に楽しむには、事前準備と体調管理、

そしてご自身の現状把握が需要なカギとなります。

 

登山計画書って?

遭難発生の原因から逆引きすると、

事前準備で見落としがちなポイントが

浮かび上がってきます。

まず注目すべきは、2021年に最も多くの遭難者を

出した原因、「道迷い」です。

文字通り、道に迷って登山道を外れてしまう事例です。

このトラブルは、多くが登山計画書を制作すること

防げたかもしれないと指摘されています。

登山計画書は登山届とも呼ばれ、

この届出をもとに、警視庁が捜索の必要性を判断するのです。

登山計画書の基本的な内容

登山計画書に盛り込む主な内容は、

登山日時、参加者の氏名、連絡先、

登山ルートと、通過ポイントの予定時刻、

食糧計画、装備、緊急時の避難ルートなどです。

下山予定の日時を過ぎても入山者が帰還しない場合、

状況を鑑みて遭難の危険性が高いと判断されれば

捜索隊の出動となります。

登山計画書に記入された登山ルートは

捜索の重要な手がかりなので、

登山ルートの計画は詳しければ詳しいほど

遭難した場合の生還率が高くなるというわけです。

登山計画書の提出先

登山計画書を関係各所に提出して、

「私たちがこの日、この山に登りますよ、この日に下山予定ですよ」

と知らせるのも重要なポイントです。

これを怠ると、無事に帰還できても

罰金が課されたケースもあるそうです。

登山計画書の提出場所は、

当日ならば登山口手前の登山届の提出場所へ、

事前に提出するならオンラインがおすすめです。

所管の県警が管理していて、

ホームページには登山計画書の

無料ひな型(フォーマット)掲載されて

おりますので、未経験の方は最初に

チェックしてみるといいでしょう。

環境により装備も変えよう

登山計画書を作るために必要な準備として、

装備や食料の用意も同時に進めることになります。

装備については季節によって大きく必要な内容が

変わってきます。

例えば、アウターの色ひとつでも環境に応じて

変える必要があります。

紅葉のシーズンに赤や黄色では目立たず

周囲に埋没してしまいますよね?

そうなると発見が難しくなるからです。

緑の季節なら黄色や赤、紅葉の季節なら白や黒、

雪の季節ならばカラフルで彩度の高い装備が

目立ちます。

登山予定の山の環境をよく調べて、

風景に同化しない装備を選ぶようになさってください。

また、天候の変化に備えてレインウェア、

ヘッドライト、予備の行動食、

携帯電話の予備バッテリーなども、しっかりしたものを

準備しておきたいところです。

単独登山はなるべく避け、家族や友人に

登山予定を伝えたうえで入山するようになさってください。

また、遭難した際の連絡先は110番か119番です。

いざという時はむやみに動き回らず、

通報することも1つの手段です。