ライオンやトラのような大型肉食獣や

多くの野生動物と比べると

人は貧弱なのかもしれません。

人は群れを作り、安全な居住地を開発し、

外敵を排除することで、肉体的な不利を覆しました。

しかし、一つの土地を分け合う人数が

増えれば増えるほど個人の自由度は制限されたり、

ライフスタイルを変えたくても変えられない、

生きたいように生きられないというジレンマが、

都市部の生活にはつきものでした。

ところが、2020年来のコロナ禍で、

社会全体が押し流されるように変化しました。

人々の生活様式もまた変革を余儀なくされたのです。

テレワークの普及によって「おうち時間」が増えた方も

多いはずです。

 

感染対策で人の行き来が制限された結果、

企業の活動は停止し、日本経済は

大きな打撃を受けました。

新型コロナウィルスは今後、インフルエンザのように、

あるいは風邪のように、

ごく一般的な位置づけになっていくと考えらえます。

コロナ禍のなかで感染対策として始まった

生活様式の変化は一時的なものではなく

定着するということです。

そして、「家」の滞在時間が長くなるほど

重要性が増してくる要素が、「家」の居住性です。

 

交通事故の2倍、ヒートショックが原因かも…

健康長寿につながる「家」の評価には、

政府がまとめている「人口動態統計」が役立ちます。

死因簡単分類の「不慮の溺死及び溺水」という項目が、

「家」のなかで起きた何らかの急性症状が起きた件数を

推測する指標になるからです。

2020年度、2021年度、ともに、

「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数は

「交通事故」のおよそ2倍でした。

「不慮の溺死及び溺水」の原因として

「ヒートショック」という現象が

注目されています。

ヒートショックとは

ヒートショックは激しい気温の変化に

さらされた際に起こります。

例えば、温かい室内から冷え切った廊下に出た際

血圧が急激に上昇して

血管に過剰な負荷がかかり、

脳内出血や脳梗塞、大動脈解離、

心筋梗塞などの急性症状が現れます。

意識を喪失したり、身体の自由が失われたりするため、

浴槽でおぼれる原因になります。

このケースとは逆に、

血圧が急激に下がって意識を失う場合もあります。

ヒートショックを直接の原因とする

死者数は推測の域を出ませんが、

ご高齢の方や、持病がある方は、

若く健康な方にくらべてハイリスク

だということが分かっています。

次回は、健康のための「家」選びのコツや

いまお住いの「家」で快適性を高める方法、

「家」に手を加えずにヒートショックを防ぐ方法

などをご紹介できればと思います。

手軽にヒートショック対策をしたい方は、

ご参考にしていただければ幸いです。