秋から初冬に花粉症のような症状が続く

夏の間ギラギラとした太陽の光を

集めていた海も、山も、10月には紅葉に染まり、

11月に入ると静まり返った

冬の気配を漂わせるようになります。

目にも豊かな秋の錦が徐々に

枯木立に移り変わっていく景色は魅力的ですよね。

しかし、季節のうつろいを漫然と見送っていると、

体調不良のサインを見落としがちになるので

注意が必要なのかもしれません。

晩秋の10月から冬支度の11月にかけて、

なぜか花粉症様症状を呈する方が増える

という話題をご存知でしょうか?

具体的には、くしゃみ、鼻づまり、鼻水、

鼻のムズムズ感、痒みといった症状です。

 

もう少し詳しく調べてみると、

『鼻をかみすぎて肌荒れがひどい』

『鼻の痒みを気にしているうちに眠りが浅くなった』

『インフルエンザやコロナではないかと疑われて肩身が狭い』

『春の花粉症は共感してもらえることが多いけど、

秋冬だと周囲の視線が厳しいような気がする』

など、花粉症のような症状そのものだけでなく、

付属する要素で困っている、という声も目立つようでした。

 

初冬に現れる寒暖差アレルギー

冬に風邪や花粉症のような症状が出たけれど、

熱はない、目のかゆみもない、

そういった場合には「寒暖差アレルギー」の

可能性が高いでしょう。

病院で検査を受けて新型コロナウィルスや、

アレルギー反応が確認できなければ確実です。

寒暖差アレルギーとは

「寒暖差アレルギー」は1日のうちに大きな

気温変化が起こる環境が原因です。

「最低気温と最高気温の差7℃以上」が

目安だといわれています。

1日のうちに目まぐるしく気温が上がったり

下がったりすると、自律神経の働きが乱れて

ハウスダストなどから身を守る

防御機能にほころびが生じます。

また、冬にもスギ花粉やヒノキ花粉はある程度

飛散しているものなので、

抵抗力が下がったタイミングで実際に

花粉症を発症する可能性もあります。

 

  • 寒暖差アレルギーの特徴

寒暖差アレルギーの特徴として、

花粉症のようなくしゃみ、鼻水、鼻づまりのほかに、

不眠、疲れやすさ、食欲不振に加えて、

イライラしやすくなったり、気分がふさぎがちになったり、

物事に消極的になったりといった

精神面の症状を伴うことがあります。

寒暖差アレルギーでくしゃみ、

鼻水が出る理由は、寒暖差による刺激で

鼻粘膜の血管が広がるからです。

血管が広がれば鼻粘膜が腫れ、

さらに刺激に弱く、ハウスダストや花粉の影響を

受けやすくなります。

こうして発症するタイプの鼻炎は

「血管運動性鼻炎」としてアレルギー性鼻炎と

区別されています。

暑さ寒さの刺激で鼻炎症状がひどくなるところも

「血管運動性鼻炎」の特徴です。

 

寒暖差アレルギーの対策

  • 防寒具で体温調節

最も簡単な「寒暖差アレルギー」対策は、

防寒具を駆使して気温の影響を避けるというものです。

屋外が寒い時には帽子、マスク、マフラー、

手袋、上着を着こんで体温を逃がさないように

心がけるといいでしょう。

この場合、屋外に出てからではなく、暖かい室内で

防寒具を身に着けるとよりいっそう効果的です。

 

  • 朝日を浴び、リラックスできる時間をつくる

次に、身体の内側から変えていく

「寒暖差アレルギー」対策です。

起床後に必ず朝日を浴びること、

なるべく規則正しい生活を送ること、

ストレスをため込まず、半身浴などでゆったりと

リラックスする時間を持つこと、

十分な睡眠時間を確保すること、

また、寝具は身体に合うものを選び、

上質な睡眠を得られるようにすること、

これらを習慣づけるだけで

自律神経の恒常性を補強できます。

まずは食事の時間を決める、

あるいは入浴する時間を決めるなど、

ひとつずつ段階的に取り組んでいくといいかもしれませんね。

 

  • 筋力アップで免疫力を底上げする

花粉やハウスダストへの抵抗力を養う

方向性の対策としては、ウォーキング、ジョギング、

筋力トレーニングなどがおすすめです。

体温が下がると免疫力が低下し、

体温が上がると免疫力が上がるとされているため、

運動不足の方、筋力が低下している方ほど

寒暖差アレルギーのリスクが上昇すると考えられます。

適度な運動で筋力を向上させると、

細胞内のエネルギー生産が活発になり、

血液中の免疫細胞が活性化し、免疫力が高くなります。