平均寿命と健康寿命を考える
人生100年のその先が現実味を帯びてきたこの時代に、
あなたはどのような老後をイメージしていますか?
WHOが2022年にまとめた平均寿命の国際比較では、
日本が堂々の第一位でした。
寿命が延びるということは、人生のなかで
「老後」の占める割合がよりいっそう増える
ということです。
体細胞が活発に分裂し、発達する期間を終えた後の、
肉体が衰えていく状況が長く続くようになるわけです。
平均寿命と健康寿命の差に目を向けてみると、
平均寿命84,3歳に対して健康寿命平均は74,1と、
10年以上の開きがあります。
健康寿命は自立して生きられる期間という意味です。
これはつまり、寿命が延びたぶんだけ
不自由な時間が長くなった、とも考えられますよね。
できるだけ長く自由な生活を謳歌したいと
考える方のほうが多いのでは?
ここで重要になってくるのが健康寿命です。
平均寿命が長い国ほど、
健康寿命との差をいかに短縮するかが問われています。
健康寿命ランキングの変動(2016年から2019年)
先ほど少し触れた平均寿命の国際比較は2019年の
データをもとにまとめられたものでした。
この平均寿命ランキングでは
第二位がスイス(83,4歳)、
第三位が大韓民国(83,3歳)、
第四位がシンガポール(83.2歳)です。
これに対する健康寿命ランキングは
第一位が日本(74,1歳)、
第二位がシンガポール(73,6歳)だったのですが、
年次をさかのぼって2016年のランキングを見てみると
興味深い事実が浮かび上がってきます。
2016年の平均寿命は日本(84,2歳)、
シンガポール(82,9歳)、
健康寿命は日本(74,8歳)、
シンガポール(76,2歳)でした。
2016年、平均寿命と健康寿命の差は、
日本では9,4年、シンガポールでは6,7年でした。
ところが、2017年にはシンガポールの数値は10,6にまで
伸びています。
翌々年の2019年には日本が10,2年、
シンガポールが9,4年と推移しており、
国としての努力がうかがえるものの、
平均寿命と健康寿命の差が短いほど
高順位として評価するなら、
シンガポールの状況は悪化して
日本と同水準になったと考えられます。
2016年から2019年にかけて、いったいシンガポールに
なにが起きたのでしょうか?
次の記事で詳しく迫ります。