冬の胃腸炎、ウィルス対策を考える
師も走ると書いて「しわす」と読む日本の12月は、
寒気がいよいよつのる冬の始まりですね。
毎年、感染性胃腸炎の感染数が爆発的に増えるほか、
インフルエンザの流行拡大期として
感染対策が叫ばれてきましたが、
2022年12月はすこしばかり様子が異なるようです。
というのも、新型コロナウィルスとインフルエンザの同時感染、
通称「フルロナ」が増えているからです。
新型コロナウィルス感染症とインフルエンザの
感染が重なると、
重症化や死亡リスクが4倍にまで高まるとまで
言われています。
また、冬は怪我が多発する時期でもあります。
健康や美容のためにスポーツを習慣にしている方も、
気分転換を兼ねてランニングやウォーキングを
習慣にしている方も、病気や怪我などの
トラブルが起こると運動どころでは
なくなってしまいますよね。
年末年始の休暇を楽しみに
頑張っていらっしゃる方も多いのではないかと思います。
つつがなく年末を迎えるために、
どのようなところに感染性胃腸炎や
怪我の危険が潜んでいるのか、
どうすれば予防できるのか、
改めて確認してみるのもいいかもしれません。
感染性胃腸炎の原因と対策
感染性胃腸炎の原因はウィルスなどの病原体です。
冬に集団感染を起こす例が多いウィルスは
主にノロウィルスとロタウィルスで、
1日から3日程度の潜伏期間を経て発症します。
感染しても症状が出ない場合や、
発熱や関節痛といった風邪様症状を伴う場合など、
病態はさまざまです。
ノロウィルス、ロタウィルス、
いずれも接触感染と経口感染によって
感染が拡大します。
つまり、新型コロナウィルスや
インフルエンザと同様、感染源に接触しなければ
感染は防げるわけです。
新型コロナウィルスとインフルエンザは飛沫感染、
ノロウィルスとロタウィルスは経口感染が多い
という違いこそありますが、
双方の予防を重ねることで、
よりいっそう感染症リスクを抑えられると考えられます。
ノロウィルスとロタウィルスの予防
1・特に食事前の石鹸と流水での手洗いを徹底する
2・カキなどの二枚貝は中心部まで
しっかり加熱調理してから食べる
3・感染者が身近に確認された場合、
環境消毒と手洗いを徹底する
4・感染者の嘔吐物などにも病原体が潜んでいるので、
処理の際には直接触れないように注意すること、
処理した後は石鹸と流水で手を洗い、除菌する
5・ウィルスへの抵抗力を高める
6・体力が弱い乳幼児などの場合、
ロタウィルスについては予防接種という選択肢も
コロナ禍で一般的な習慣になったこまめな手洗い、
消毒は、感染性胃腸炎の予防にも有効です。
手洗いは毎回30秒以上かけて、
爪の中、指の間などもしっかり汚れを落とせていますか?
冬の味覚であるカキなどの二枚貝のなかには、
ノロウィルスが住み着いているものが少なくありません。
しかし、このウィルスは加熱によって無毒化できます。
身の中心までしっかり火を通してから
食べることが大切です。
調理に使った器具はかならず消毒しましょう。
漂白剤でササっと消毒!
次に、身近に感染者が確認された場合の環境消毒に
まつわるポイントをご紹介します。
この場合は手指に使うようなアルコールスプレーではなく、
市販の漂白剤を薄めて使うと効率的です。
通常の環境消毒の場合は、
塩素濃度0.02%程度に薄めたものを布などにしみこませて、
壁や床などを上から順に拭くといいでしょう。
感染者が嘔吐してしまった時、
トイレが汚れてしまった時の処理後は、
塩素濃度0.1%に薄めた漂白剤で消毒できます。
ウィルスなどの病原体への抵抗力は、免疫力に依存します。
乳幼児や高齢者の方にノロウィルスなどの
集団感染がよく発生するのは、免疫力が低いからなのです。
『そろそろ体力が落ちてきたかも』
『体力に自信がないし、外出が怖い』
『免疫力を鍛えたいけど、どうしたらいいかわからない』
今からでもできる免疫力、すなわち、
身体の防御機能を高める方法を
次回はご提案したいなと思っています。