肉食生活との上手な付き合い方

日本は歴史的に見て肉食の歴史が浅い国です。

明治天皇が1872年に牛肉を召し上がったことは

多くの方がご存知かと思います。

国を率いる立場の方が召し上がったなら、

周囲もそれに倣いそうなものですよね。

しかし、一般市民はなかなか肉食という文化を

受け入れませんでした。

食肉への忌避感が強かったからです。

日本人にとって、それまでお肉は

「安全なもの」ではなかったのですから、

しかたありません。

 

食肉が普及し始めたのは1955年ごろのこと。

大正を飛び越え、昭和30年に至って

ようやく日本人が食肉を認める土壌が完成したのです。

ここから、日本人の食卓において肉の地位は

目覚ましく向上します。

2022年現在、日本全国で焼き肉専門店が

2万件におよぶというほどです。

たまに焼肉を食べるくらいなら問題ありません。

疲れた心を癒したり、食べることそのもので

元気を養ったり、翌日また頑張るための

活力になると思います。

とはいえ、毎日のようにお肉ばかり食べていると、

それは危険信号になることも。

老化を加速し、ガンや心臓病、

あるいは脳卒中、脳梗塞のような死病を

招く要因になります。

 

なぜお肉を食べ続けることが危険なのか

どうして病気になるのか考えていきたいと思います。

動物性タンパク質との上手な付き合い方も

ご紹介します!

焼き肉好きな方、健康的にお肉を食べ続けたい方、

お肉は食べたいけど老化も気になる方の

ご参考になりましたら幸いです。

 

動物性タンパク質と脂質が健康に与える影響

現代では牛、豚、鶏、羊、山羊といった

動物の肉がよく食べられています。

これらの食肉に含まれる成分はほとんどが

水分と動物性タンパク質、脂肪

そして、微量のビタミンやミネラルです。

食肉生活が病気を招く理由が、

成分構成の大部分を占める

動物性タンパク質と脂肪にあります。

過剰摂取した成分は体内に滞ります。

血液の成分バランスが崩れ、血管の内壁に老廃物として

付着して動脈硬化の原因に、そして脳血管疾患に…

と、負の影響が連鎖するのです。

さらに、日本人の肉食が始まってからの

追跡調査によって、動物性タンパク質が

二型糖尿病の発症率を高めたことが

確信されています。

 

食肉の危険性についてはもう一つの側面からも

考えた方がいいでしょう。

焼肉を例に挙げると、「たれ」が必ず付属します。

動物性タンパク質に加えて非常に濃い味付けで、

それはもうご飯が進むのも当然です。

つまり、動物性タンパク質の過剰摂取を

続ける生活では、自然と塩分、糖分も

過多になってしまいがちです。

動物性タンパク質が糖尿病リスクを

引き上げると同時に塩分、糖分過多が

追い打ちをかけることも考えれるのです。

 

健康でいたいなら焼肉は諦める?

ここまで肉食の悪影響を解説してしまうと、

「じゃあお肉を食べちゃだめなの?」

「焼肉大好きだけど、我慢しなきゃいけないの?」

「病気になりたくないけどお肉を食べられないなんて絶望……」

なんて、がっかり、しょんぼりした気持ちに

なっているかもしれません。

が、あきらめるのはまだ早いです!

肉食は確かにリスクを伴います。

だけど、私たち人類の肉体には健康を保とうとする

仕組みが備わっているのです。大切なことは、

 

1・健康維持のメカニズムが破綻しない範囲でお肉を食べること

2・お肉を食べるとしても食べ過ぎないこと

3・食べ過ぎたとしても食べ過ぎを継続しないこと

4・健康維持のメカニズムを日ごろから強化しておくこと

 

この4つです。

お肉大好き、焼肉大好きな皆様は、

ぜひ念頭に毎日の食生活を意識してみては?

 

タンパク質の適正な摂取量は、

成人男性で1日あたり60g、成人女性で1日あたり50gなので、

お肉に換算すれば100g程度になります。

指を除いた手の平に乗るくらいが目安です。

少ないと思われましたか?

実はお肉には食べすぎを招く中毒性があります。

どんなに我慢しようとしても我慢しきれない時、

ついつい食べ過ぎてしまう時だってあるでしょう。

日ごろ健康的な食生活を心がけているならば、

1回や2回食べ過ぎてしまったとしても

健康維持のメカニズムが働きます。