日本にある多くの島は無人島!
日本は大陸から離れた国土を持つ
独立した島国です。
内閣府の発表によれば、この国土を構成する島数は
全部で6,852島であり、北方領四島も
これに含むとしています。
「本土」は5島、北海道、本州、四国、九州、沖縄本島のことです。
いずれも土地面積や資源が豊富で、
日本国民のほとんどがこれら5島で
暮らしを営んでいますよね。
ではそれ以外はどうかというと…
ほとんどが無人島です。
本土を除いた6,847島のうち、
無人島が6,432島で、有人島は416島と
なっていますから、
観光客を誘致できるような離島は、
実のところ貴重なのです。
そんな貴重な離島のひとつ、
「祝島」に残された「不老長寿」にまつわる伝説を
今回はご紹介したいと思います。
祝島に記憶されている、不老不死の伝説
祝島は山口県所属の有人島です。
面積は7.68平方キロメートルで人口は
わずか314人と規模は小さいですが、
その歴史は古く、日本最古の歌集である
「万葉集」にも「神霊の鎮まり給う島」と
記されています。
大陸から交易のために行き交う船にとっては
重要な島でした。
「祝島」に残された「不老不死」伝説には、
大陸の歴史が深く関わっています。
紀元前221年、大陸では始皇帝が初めて
中国の統一を果たしました。
当時の国名は「秦」です。
始皇帝は誰一人成し得なかった偉業を達成した
英雄です。
しかし、彼もまた人間でした。
始皇帝は迫り来る死から逃れるために、
不老不死の仙薬を求めて
世界各地に使者を発したのだそうです。
山口県のホームページにも「徐福伝説」
として記載されています。
『秦の始皇帝が徐福に探させた不老不死の仙薬が、
コッコー(ナシカズラ)の実であると伝えられています。
コッコーは、島の西側の三浦地区に自生しています』と。
徐福はけなげにもナシカズラの実が
結実するまで待っていたといいます。
海風が吹き寄せる中、ナシカズラの“つる”が
巻き付く木を見上げては『実ったか』
『まだ実らないか』と待ちわびる徐福の姿が
思い浮かぶようですね。
コッコー(ナシカズラ)の実とは
どのようなものなのでしょうか?
徐福伝説のコッコー(ナシカズラ)
「ナシカズラ」はマタタビの仲間で、
落葉性のつる性果樹です。
別名「シマサルナシ」とも呼ばれています。
花は5月ごろに咲き、結実し、
実を食べられるようになるのは9月から10月ごろです。
果肉の様子や食味はキウイに酷似していますが、
サイズは3㎝ほどと小さく、
「ナシカズラ」や「シマサルナシ」そのものは、
日本では生産地以外にはあまり流通していません。
ところが、キウイに親しんでいる方、
特に国内産のキウイを愛好していらっしゃる方は、
ある意味、「シマサルナシ」の実を
食べているようなものだったりします。
シマサルナシとキウイは近縁種で、
なおかつシマサルナシの木はキウイよりも
根腐れしにくい性質を持つため、
キウイを挿し木で増やす台木として
シマサルナシが用いられているからです。
小ぶりなキウイ!?栄養豊富!
「ナシカズラ」あるいは「シマサルナシ」と
日本で呼ばれるこの木の実は海外では
スーパーフードとして愛されているのだそうです。
ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、ルテイン、
クロロフィル、ポリフェノール、ペクチン、鉄分、
カリウム、ビタミンB16、マグネシウムまで、
ナシカズラの栄養素は多岐に渡ります。
複数の抗酸化物質を豊富に含む
「ナシカズラ」は、アンチエイジングに、
健康増進に、さらには美容に、
さまざまな角度からの効能が期待できます。
不老不死の仙薬とまでは言えませんが、
日々の健康という面では確かなサポートに
なってくれると思われます。
「ナシカズラ」「シマサルナシ」の海外での一般名称は
「ベビーキウイ」「キウイベリー」です。
果物売り場で通常より小ぶりなキウイを見かけたら、
商品名をぜひ確認してみてくださいね!